
「お前のせいで契約が取れなかった」
「お前の行動はおかしい」
「もっとよく考えろ」
…ある同僚からいつも言われます…
あの人とは関わりたくありません。
そんな言い方されると、責められてるみたいで嫌だよね。
もっと優しく伝えてくれたらいいのに、って思う。

あなたは、誰かに怒りをぶつけるとき、正しい怒り方をしていますか?
怒りやイライラを感じているときほど、周りへの配慮ができなくなり、人間関係のトラブルに発展してしまうことはよくあります。
正しい怒り方をしていないと、周りにいた人がいつの間にか去っていくという事態になりかねません。
- 素直に怒りを表現しすぎている
- 人間関係がうまくいかない
- 怒りを我慢しすぎて辛い
このようなお悩みがあるのなら、是非続きをご覧ください♪

怒ったときの、正しい怒りの伝え方がありますよ♪
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怒りは上手に伝える
あなたの周りに常に怒っている人がいた場合、積極的に近づこうとはせず、極力接触を避けようとするはずです。
常に怒っている人は、いつも誰かの粗探しをして気に入らない点を見つけ、なんでもそこに絡めて文句を言ってきます。
彼らは当然人間関係でうまくいきません。
周囲とのトラブルは絶えず、誰も近寄って来なくなります。
周囲に誰もいないからといって、怒りが収まることはありません。怒りの吐口がなくなるとストレスが溜まってさらに怒りが増します。
目に付く人々の中で弱そうに見える人をターゲットにし、怒りの攻撃を繰り返します。
怒りで相手を攻撃することはよくないと理解しましょう。
ただし怒りを我慢するのも辛いことです。
我慢し続けるのは、本当の自分の心を隠すことになります。
怒りが湧くのには、必ず原因があります。
まずは怒りの原因を自分で突き止め、相手に伝える必要があるのなら、上手なやり方で伝えましょう。
★ 参考記事:『怒りを根本から解決する方法−イライラのきっかけは5つの欲−』

怒ると『YOUメッセージ』になる
怒りを目の前の相手にぶつけているとき、言葉は「YOU(ユー)メッセージ」になりがちです。
- あなたのせいでこうなった
- あなたは、どうして酷いことを言うんだ
- あんたの行動はおかしい
自分の感情を観察すると「あなた(YOU)」を主語にした怒りのメッセージになっていることに気づくでしょう。
相手に非があってもなくても、「YOUメッセージ」で怒られ続けると、相手は責められている気持ちになり、怒りが増殖します。
いくら信頼関係があっても、人間関係はギクシャク。
お互いの関係性がおかしくなると、些細なことでもお互いの怒りが増殖し続けるという悪循環が生まれるので、怒りを伝えるときは注意が必要です。

『Iメッセージ』に変える
怒りの悪循環を生まないために、怒ったときは「I(アイ)メッセージ」で伝えましょう。
実は、怒りは心の中にある別のネガティブな感情を隠すために現れます。
例えば、自分の弱さを隠すために強がって見せるなど、怒りで表現したりします。
怒りはあなたが本当に表現したい感情ではないということです。
だからこそ、怒りで覆い隠している感情が何かを知ることが大切です。
先の例で言うと、
- あなたに期待していたのに、約束を守ってもらえなくて悲しい
- あなたにこう言われると、頑張っていた自分が認められないようで辛い
- あなたを信じて任せた自分が情けない
このような「悲しみ」や「情けなさ」が隠れています。
Iメッセージとは、このような気持ちを「私(I)を主語」にして、相手にそのまま伝えることです。
Iメッセージを使うことで、相手を責めることなく自分の思いを伝えることができ、相手とギクシャクせずに意思疎通を図ることができます。

『YOUメッセージ』と『Iメッセージ』の違い
怒られる側からすると、「Iメッセージ」で伝えられると怒りは湧いてきません。
怒りよりはむしろ、申し訳なさを感じたり、自分を振り返って「次は、絶対にこの人を悲しませないで期待に応えよう」と考え、お互いの関係が良くなります。
それでも、人が怒りを感じると「YOUメッセージ」を使ってしまうのは、その根底に「自分の弱さを見せたくない」あるいは「自分の方が強いと思わせたい」という気持ちがあるからです。
「悲しさや情けなさを表に出す人は弱い」という思い込みがあります。
しかし本当は、「弱さを素直に表現できる人が強い」のです。
Iメッセージは愛メッセージです。
弱さをさらけ出すことになっても、自分のありのままを表現することが、自分を愛することにつながります。
★ 参考記事;『弱い自分を受け入れる方法』

怒りはアサーションで表現
アサーション(assertion)とは、「自己主張」と訳されます。
自分の意見を押し付けず、相手を尊重しながらも、主張はしっかりするというコミュニケーションスキルという意味です。
怒りの場面では、「我慢して怒りを増殖させることなく、お互いの心を満たすための自己表現」という意味で捉えてください。
怒りの放出は、相手への攻撃です。
お互いの関係性が崩れ、怒りを増殖させるという悪循環が生まれます。
また、逆に「心の中に怒りを溜め込んでしまう」ことも怒りの悪循環を生みます。
攻撃され受身の状態が続くと、怒りを蓄積し、その影響でネガティブな感情や考え方が根付いてしまいます。
そうなると、ほんの些細な出来事でもどんどん怒りが湧いてイライラし、更なる怒りをため込んで攻撃的な反応をしてしまいます。
そういった場合に効果的なのがアサーションです。
「Iメッセージ」を使って自己表現することがポイントです。

アサーション例: Iメッセージで伝える
例えば、月曜日に上司から、作成期限が金曜日の朝10時までの重要な書類作成を頼まれたとします。
毎日その仕事にかかりきりになっても、期限に間に合いそうにありません。そこで苦労して予定を調整し、毎日遅くまで残業します。
なんとか期日に上司に書類を提出できましたが、上司からは感謝の言葉や評価もなく、書類の束を受け取るだけでした。
この時、あなたなら次の3つの中のどの行動を選択しますか?
どうする?
- 不満を表し、怒った口調で上司に意見する
- 適切な評価をしてほしいと上司に冷静に伝える
- 不平や不満を抱えたまま、何も言わない
①の反応をすると、怒りで上司を攻撃することになって上司も怒りを増殖させ、お互いの関係が悪くなります。
③は、自分で心の中の不平・不満を解決できなければ、怒りが溜め込んだままになるため、自分に様々な問題が起こってきます。
アサーションは②の行動であり、怒りを放出させたり我慢することなく、自分と上司のお互いの心を満たすための自己表現をすることです。
「私は毎日残業して約束を守りました。頑張って取り組んだことだったので、上司からの言葉が何かあった方が嬉しかったです」など、「Iメッセージ」で伝えてみましょう。
次のようなことを意識して行動すると、怒りの応酬をせずにお互いに良い関係を継続することができます。
ポイント
- 争いを起こさず、お互いにとって良い方向を探る
- 自分の価値観を相手に強要しない
- 自分の勝ち・相手の負けを望まない
- 理不尽な要求は決してしない
- 互いに歩み寄り、満足できる着地点を探す
- 自分の感情や気分に正直になりつつ、相手の言葉にも耳を傾ける
怒りも我慢も、自分に嘘をついている状態である可能性があることを知っておきましょう。
- 怒りの奥にある、自分の本当の気持ちに気づく
- 相手の角を立てない伝え方で自己表現する
この2つを意識するだけで、本当の自分に近づくことができます。
まずは、自分とよく向き合い、怒りの原因を探りましょう。
★ 参考記事:『他人の怒りの気持ちを鎮める方法』

まとめ:『YOUメッセージ』と『Iメッセージ』
怒りを感じたとき、つい「YOUメッセージ」で相手を責めてしまいがちです。そのとき、きっと相手の「言い訳」すら聞く耳を持っていません。
相手には相手の価値観があり、正当な理由で行動し、たまたま失敗しただけなのにも関わらず、責め立てられると怒りが湧いてきます。
怒りをそのままぶつけるのは、せっかく築いてきた関係を崩すことにつながり、得策ではありません。
自分が「YOUメッセージ」を使っていることに気づいたら、すぐに「Iメッセージ」に意識を戻しましょう。
そして、「愛メッセージ」まで使えるようになったら、あなたの周りには人がたくさん集まってくるようになりますよ♪
今回の記事のポイント
- 怒っているときは「YOUメッセージ」になる
- 「Iメッセージ」で伝えると相手は怒りを感じない
- 弱さを素直に表現できる人が強い
- アサーションは怒らず我慢せず、自己主張すること