
羊の僕が言葉を話すのは『普通じゃない』そうです。
羊っぽくメェーメェー鳴くべきですか?
羊のイメージを守らなければならないですか?
周りから変人だと思われているかもしれないって不安だし、自分を出すのが怖くなりました。
羊くんは、周りから何かを言われると不安になるんだね。


そうです!
たまたま無視されても、そう思いますね。
『思考の癖』かもしれないね。
その『普通』は誰が決めたんだろう?
他人基準の『〜ねば』や『〜べき』に囚われると、
自分を失ってしまうよ。
羊くんは、そのままでいいんじゃないかな。
『〜ねば』『〜べき』という考えでで別モノにならなくても、あなたは大切な存在なのだよ。

あなたは、以下の言葉を日常で多用していませんか?
- 目上の人には敬語を使うべき
- 能力がない人は人一倍頑張らなければならない
- 弱い人には優しくしなければならない
- 普通、この場合はこうするべきでしょう
- この場面では〇〇すべきだと考えるのが常識だろう
『〜ねばならない』『〜べきだ』を使っていませんか?
『普通は』『一般的には』『常識的には』なども。
上記の例を読み上げてみると、あまり良い気分にはならなかったと思います。
どこか否定されるような、窮屈な気持ちになります。
もし、『〜ねば』『〜べき』を普段から無意識で使っているのであれば注意が必要です。
この言葉にはやる気を急落させる落とし穴があります。
今回は、そもそも『思考の癖』とは何か?、『〜ねば』『〜べき』がもたらす影響・モチベーションを保つ秘訣をお伝えします♪
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思考の癖を直す方法−他人に『ねば』『べき』を押し付けないほうが良い−
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思考の癖とは?
思考の癖とは、簡単に言うと「考え方の癖」です。
例えば、レジで5分間待たされたとします。
そのとき、「おい!まだか!」と怒鳴る人もいれば、「慌てなくても大丈夫」と静かに待つ人がいます。
「長い」「短い」「ちょうど良い」「普通」など、
「5分間」の捉え方の違いで態度が変わります。
「5分間待たされるのは長い」という考えをもとに、怒りの感情を生み出します。
人がみな同じ考えなら、喧嘩なんてあり得ません。
その時々の状況で考え方も変わりますが、人それぞれ、どのような境遇でどのような反応をするのか、ある程度のパターンが決まっています。
思考の癖は受け止め方の違いから
例えば、朝出社して上司に笑顔で挨拶をしたとします。
ところが、上司は挨拶を返してくれません。
このときあなたは、心の中でどのように思いますか?
- 嫌われた。この先、職場で上手くやっていける?
…(不安・孤独感) - タイミングを失敗したかな。どうせ私はダメ人間
…(憂鬱・自己否定) - こっちから声掛けたのに無視。いくら上司でも失礼
…(怒り) - 他の人には返事している。私以外を贔屓している
…(劣等感)
同じ出来事でも、人によって湧く感情が異なります。
これは、『受け止め方』が人それぞれ違うからです。
つまり、出来事を解釈する思考パターンが人それぞれ異なり、その思考パターンがその人特有の感情パターンを生み出しているのです。
人それぞれ思考パターンが異なる理由は、生まれ育った環境や過去の失敗などから、自分にあった考え方を採用しているからです。
それはつまり、『〜ねばならない』『〜べきだ』という考えも含む、自分の価値観です。
『怒り』にしても、過去の経験や失敗から「怒らなければわかってもらえない」「他人にコントロールされないために怒るべき」などの考えを持つようになり、あるタイミングで条件反射的に「怒り」の感情が湧きます。
多くの人は「怒り」の感情に気づくことができても、そのきっかけとなる「思考パターン」には気付きません。
だから「理由はないけどイライラする」が起こります。
自分が作り上げた『〜ねばならない』『〜べきだ』という価値観が、ある出来事をきっかけに頭の中にフィードバックし、その考えがもとで感情が湧く。
あなたが何かの感情で悩むんでいるなら、その感情を生み出す思考の癖を持っているのかもしれません。
常に怒っているなら、怒りを感じる考え方をしている。
劣等感を感じるなら、劣等感を感じる考え方をしている。
まずはそのことを知っておきましょう。

潜在意識レベルでやる気を落とす『思考の癖』
- 仕事を頑張らないといけない
- うまくやらねばならない
- 昼休み返上でやらねば、来週の仕事がキツくなる
- お金を稼がなければならない
- 社会人は我慢をすべきだ
- 完璧でなければならない
- 仕事中はプライベートのことを忘れるべきだ
- 消費税が上がったし、外食は避けて自炊すべきだ
読むと、胸にズンとくる感覚はありませんでしたか?
きっと、日常の様々なタイミングで使っていますよね。
あなたは1日でどのくらい使っているのでしょう?
振り返ってみてください。
『〜ねば』『〜べき』に、気づいていますか?
思考の癖は普段意識しないので、気づかないうちにたくさん使っているかもしれません。
実は、『〜ねば』『〜べき』を自分に使うときは、多くの場合『本当はやりたくないけど』という感情が隠れています。
自分を鼓舞するつもりで「後で苦労するのは嫌だから、いま頑張らねば」と思い続けていると、潜在意識ではこう解釈します。
- 不安だからやるの?
- あなたは不安な人のね
- 不安なことはやりたくないよね
こうして「本当はやりたくないけど」という思いを強固にします。
そのため、『やる』という気持ちと『やりたくない』という気持ちが潜在意識レベルで引っ張り合ってしまい、モチベーションが上がらなくなってしまいます。
『ねば』『べき』はアクセルとブレーキを同時に踏んだ状態
アクセルとブレーキを同時に踏んだらどうなりますか?
当然、前には進みません。
『〜ねば』『〜べき』を使うときは、『本当はやりたくないけど、やらなかったら不利益になることが起こりそうだ』という心理が含まれています。
だから、やる気がなくても、嫌々『やる』のです。
一見、前に進んでいるように見えても嫌々やるので、最高のパフォーマンスを発揮できません。
前向きな気持ちで取り組んだ方が、軽々進みます。
また、やる気があっても、完璧を求めすぎて自分への要求水準が高くなっている場合も、アクセルとブレーキを同時に踏んだ状態と言えるでしょう。
完璧主義者は、最初から完璧であるべきだと考えます。
だから、最初の一歩を踏み出す前から、「あれもダメ、これもダメ」「その方法ではやりたくない」と決めてしまい、がんじがらめになるのです。
完璧主義者はアクセルを踏み込む力も強ければ、ブレーキを踏み込む力も強すぎるのです。
前に進まないのに頑張りすぎる。
この状態が、エネルギー消耗が激しくて体調を崩す原因にもなり得ます。

潜在意識:『本当はやりたくないけど』の正体とは?
『〜ねば』『〜べき』と考えたときに潜在意識に生まれる、『本当はやりたくないけど』という気持ちの正体は何か?
答えを一言で言うと、『恐れ』です。
例えば、『本当はやりたくないけど』やらなければならない状態の時、以下のような感情はありませんか?
- 失敗したくない
- 周りから変な目で見られるのが嫌だ
- ますます時間がなくなってしまう
- お金で苦労することになったらどうしよう
- 人に迷惑をかけることで嫌われたらどうしよう
見るからにマイナスエネルギーが出ている心配事です。
ここに挙げたものはすべて『恐れ』からくる感情です。
では、『恐れ』をすベて手放せばモチベーションは上がるのか?と疑問に思われるかもしれません。
『恐れ』の感情すべてが悪いということではないので、完璧に手放す必要はありません。
『恐れ』は、自分を守るために備わっている人間の防衛本能なので、天災・事故・嫌な出来事などから身を守るために必要な分だけの恐れは、どうぞ大事にとっておいてください。
ここでいう、手放しても良い対象としての『恐れ』とは、自分がこれまで生きてきた間に作り上げた価値観(思い込み)です。
『価値観(思い込み)=思考の癖』です。
この価値観(思い込み)が『恐れ』を生んでいます。

たった3文字の言葉で『思考の癖』を解消
『〜ねば』『〜べき』を多用すると、心に重たい空気が溜まる感覚があります。
それが、『恐れ』などのマイナスエネルギーです。
『思考の癖』が『恐れ』の感情を生んでいると言えます。
実は、この『思考の癖』を解消し、『〜ねば』『〜べき』という思考を切り替える、たった3文字の魔法の言葉があります。
それは、『や・ろ・う』です。
『思考の癖』の例:自己肯定感の違い
例えば、学校のテストでAさん・Bさんは同じ80点を取ったとします。
Aさんは、こう思いました。
「親に怒られる…次は100点取らないとマズイ。クラス平均点は78点だから、すぐ他の人に追い抜かれて見下されてしまう。もっと頑張らねば…」
一方、Bさんは、こう思いました。
「やったー!平均点以上じゃん!俺すげー!親に自慢しちゃお!次はもっといけるかも♪俺、頑張っちゃうもんねー♪よし、やろう!!」
AさんとBさんのどちらがエネルギッシュですか?
一目瞭然。Bさんですよね。
Aさんの「頑張らねば…」に対して、
Bさんは「よし、やろう!!」と言っています。
そう、これが魔法の言葉『や・ろ・う』です。
「自らこうしたいから、やるんだ!」という前向きなエネルギーです。
Aさんの価値観を紐解くと、失敗に対する恐怖が大きいということがわかります。
「失敗は悪いこと」「失敗は自分の価値を下げる」
このように思っているということがわかります。
この価値観(思い込み)は、自分が過去に何か失敗したときの、周りの反応(特に親や先生や友人)や自分の感情が原因となっていたりします。
中にはAさんのように、失敗を恐れることで成績を上げてきた方も多いのではないでしょうか。
実は筆者もAさんタイプでした。
成績を上げれば親からは褒めてもらえましたが、次のテストで点数を落とせないというプレッシャーで苦しくてたまりませんでした。
Aさんのように「恐れという思い込み」を持つことは仕方ありません。
子は親の顔を見て育ちますし、昔から日本の教育は「良いところを伸ばそう」ではなく、「悪いところを埋めよう」というものでした。
だから自分の苦手科目でも良い点数を取らなければ失格という価値観が刷り込まれています。
そのため、「成功とは何か」という価値観も他人ベース(他人軸)で作り上げられてしまう可能性が高いのです。
ここで、成功のために『〜ねば』『〜べき』という思考の癖が出来上がってしまいます。
そうなると、常に気を張らなければならず、もし気が緩んでしまうなら自分が許せなくなり自己嫌悪に陥ります。
最終的には自信を失い、自己肯定感が下がります。
一方、Bさんは恐れの感情は一切ありません。
100点を取れなくても、次にもっと点数が上がるかもという期待をしています。
だから、エネルギッシュに「やろう」と言うことができ、前に進む力が働くのです。
これは、自分を信じることができている状態、自己肯定感が高い状態です。
つまり、他人軸で生きる人は、周りからの評価を過剰に気にし、自分の価値を保てなくなることを恐れ、そうならないために『〜ねば』『〜べき』という考えを持ちます。
さらに、期待通りの行動が出来なかったときは、「自分には価値がない」「自分は劣っている」と自己否定して、自分を信じることが出来ません。
それが自己肯定感を下げ、やる気を失わせてしまいます。
だからこそ必要なのが、自分軸です。
世間一般がそう言うから『〜ねば』『〜べき』という他人軸で考えるのではなく、自分がやりたいから「やろう」と思うことが、楽に生きるために重要なのです。
強制的に何かをさせられるよりも、自分から進んでやろうと思う気持ちが、やる気を持続させる秘訣です。
★☆★ 参考記事:『自己肯定感とは?』 ★☆★

思考の癖:切り替えのコツ
自分軸で自分がやりたいから『や・ろ・う』という魔法の言葉を使えるようになるためにはどうしたら良いか。
答えは「自分を許してハードルを下げてあげる」こと。
「えっ、それって甘やかせることにならない!?」と思われるかもしれませんが逆です。
自分に厳しくすることは、自分への否定にもなります。
「失敗する自分はダメだから厳しく律しないといけない」と考え自己肯定感を下げているということです。
逆に、自分を許すことは「失敗しても自分の価値は下がらないから大丈夫だよ」と出来ない自分でも価値があると認めて、自己肯定感を上げることになるのです。
ハードルを下げるというのは、成功の定義を少し緩めること。
「こんなこともできないなら成功じゃない、失敗だ!」という考えを、「ここまでできたから良しとするか♪頑張ったね、自分お疲れ」と進んだことを褒め、失敗と定義しないことです。
この変換が、『〜ねば』『〜べき』から『や・ろ・う』に切り替えるポイントです。
ハードルを下げることで、ブレーキを踏む力を緩めてアクセルを踏み込む力が強まるので、やる気がアップします。
そうは言ってもと気持ちが追いつかないこともあります。
そのときは、言葉だけ先に『や・ろ・う』に変換するだけでも効果はあります。
『〜ねば』『〜べき』というエネルギーの低い言葉は極力使わないことです。
まとめ:思考の癖とは?
『〜ねば』『〜べき』と考えて強制的に何かをさせられる気分になるよりも、自分から『やろう!』という気持ちで物事に取り組んだ方が、パフォーマンスは高くなります。
『〜ねば』『〜べき』という思考や言葉の癖がある方は、是非『や・ろ・う』に切り替えてみてください。
自分の思考の癖に気づくだけでも、一歩前進です♪
言葉を変えるだけでも、モチベーションは上がるはず。
少しの心掛けでできることですので、チャレンジしてみてください。
次回は、『〜ねば』『〜べき』を他人に多用する癖がある方に向けての対処法について書いていきます♪
今回の記事のポイント
- 受け取り方の違いは思考の癖の違い
- 思考の癖が感情を生む
- 『〜ねば』『〜べき』には『本当はやりたくないけど』が含まれる
- 『〜ねば』『〜べき』はアクセルとブレーキを同時に踏んだ状態
- 『本当はやりたくないけど』の正体は『恐れ』
- 『や・ろ・う』に変換するだけで、やる気アップ
- 自分を許してハードルを下げてあげる
- 成功の定義を緩め、失敗を失敗と捉えず、成長と捉えることで、失敗という事実は消えていく