
昔はHSPなんて言葉はなかったけど、最近よく聞くよね。
思い返すと、私は昔から相手の表情をすごく見てから行動を決めていたし、周りに怒っている人がいたら気分がズーンと重くなるんだよね。
あとね、他人があまり気にならない音にも敏感に反応するし、鼻も効くんだよ。
わんわん!
(僕もねー、鼻と耳はいいよ!HSPかな?)


チャイはわんちゃんだからね、鼻と耳が良いのはチャームポイントだよ〜♪
最近はHSPブロガーやHSP YouTuberを名乗る人が増え、本もバカ売れするなど、HSPへの関心が高まっています。
「もしかしたら私もHSPかも」「生きづらさを感じるからHSP?」と感じている人が増えているのかもしれません。
実は筆者も、HSPの特徴がほぼ当てはまりますし、生きづらさを感じたこともあります。
しかし、自分のことをよく知り、自己肯定感を高めてからは、「全然、大丈夫じゃん!」と前向きです。
自分がHSPだと分かったとして、「自分は弱い部分があって生きづらいから、あまりイジメないで〜」という考えにはなりません。
自分のHSP気質に周りの環境が100%合わせてくれるのではありません。
自分に合う環境を探すか、なにかしら工夫をするか、自分を磨くか。
これだけなのです。
HSPで苦しんでいる方にとって、少し耳が痛いお話かもしれませんが、生きづらさは「自分でなんとかする」ことが必要です。
今回は、その「自分でなんとかする」方法についてお伝えします。
HSPの特徴を理解して、人間関係で疲れて苦しむことなく、楽に生きていきましょう。
できることから取り組んでみてください。きっと、新しい自分に出会えるはずです♪
HSPと自己肯定感
HSPという言葉を聞いたことがありますか?
HSPとは、Highly Sensitive Personの略で、生まれつき刺激に敏感で感度が高く、周りからの刺激を過度に受け取ってしまう人のことです。
HSPの人の繊細さや敏感さは生まれ持った気質ではありますが、病気ではありません。
繊細な人についての研究で有名なエレイン・アーロン博士によると、5人に1人の人がHSPだそうです。
他人の言動に動揺しやすく、他人の感情に自分も同調し左右されてしまったり、音や匂いや光にも敏感で気になって仕方がなかったりします。
そのため、他人軸で生きてしまいがちで、自己肯定感は低くなりやすいです。
学校や職場などの組織に属するのが息苦しかったり、「生きづらさ」「疲れ」「つらさ」を感じてしまうタイプです。
そんな状況からなんとか抜け出そうと、自分を変える方向で努力して、さらに気疲れしてしまうこともよくあります。
ひとりの時間が必要な人、緊張しやすい人、子どもの頃に親や学校の先生から「繊細」「人見知り」と言われてきた人も、HSPである可能性が高いです。
ただし、生まれつき人一倍繊細なHSPなのか、環境によって後天的に作られる性格が内向的な人なのかは、見極めが難しいです。
自分がHSPに当てはまるかどうかは、心療内科やカウンセラーに相談して確認しましょう。
インターネットでも診断テストがアップされていますので、それを利用しても良いですが、自らをHSPであると決めつけて、思い込みで診断してしまうこともあるので、やはり専門家に診断してもらうことをオススメします。

HSPの特徴
HSPの特徴として、マイナスのイメージを持たれている方が多いですが、どんなにネガティブな特徴でもポジティブな要素を必ず内包していますので、両面を見つめることが大切です。
HSPの特徴(ネガティブ)
- 不安や恐怖を感じ取りやすい
- 考え方が複雑で慎重
- 人混みが苦手
- 人と会ったり話したりすると気疲れする
- 短時間で処理するものがたくさんあると混乱する
- 人の何気ない一言で傷つきやすく、忘れられない
- ストレスホルモンであるコルチゾールや、激しい感情が起こったときのノルアドレナリンが分泌されやすいため、警戒感が強く、敏感に反応してしまう
- 音、匂い、光、服の素材などに過剰に反応する
HSPの特徴(ポジティブ)
- 共感力が高いので気配り上手。多くの人から好意を得られる
- 創造力が豊か。芸術家(音楽家、画家、作家、ライター)として活躍できる
- 思慮深く、掘り下げて考えることができる
- 知識が深い
- 直感が鋭い
- 素直
残念ながら、HSPの繊細さや敏感さは生まれ持った気質ですので、治すことは不可能と言われています。
それに加えて、5人に1人がHSPであるとはいえ、社会からするとまだマイノリティで完全に理解されることはない状況です。
多様性が認められる社会になりつつありますが、まだ完全ではなく、組織に属していれば、圧倒的多数の考え方に合わせて生活や行動をすることを求められるのが当たり前ということもしばしばあります。
だからこそ、生きづらさをなくしたいのであれば、「自分から動く」ことが必要です。
まずは、自分がHSPであってもなくても、自分のことをよく知ることが大切です。
HSPの人は自己肯定感が低いことが多いですが、自己肯定感を高めるためには自分のことを理解し、プラス面もマイナス面もまるっと認め、ありのままの自分を愛する必要があります。。
HSPの人が生きづらいのは、「欠点があるから」ではありません。
仮に繊細さや敏感さを欠点だと感じているのであれば、その「繊細さや敏感さのおかげで、プラスに働いているメリット」が必ずあるので、その点を見つめてみてください。
生きづらさを感じているのは、HSPがまだ少数派であるからです。
HSPを他人に理解してもらうためには、まずは自分が自分を理解していなければ説明はできません。
自分がどのような特性を持っていて、それが故にどのような場面で困っているのか、何を理解してもらいたいのか、自分が生きづらさを感じなくなるためにはどうしたら良いと思うのか。
これをとことん突き詰めて考えてみましょう。
このプロセスは、自己肯定感を高めるためというのはもちろん、周囲にHSPを理解してもらうためには必要不可欠ですので、丁寧に考えましょう。
★ 参考記事:『繊細さんは他人軸?』

HSPは「NO」と言えない
HSPの人は、他人のことが気になりすぎて、「NO」と言えず、人間関係で疲れてしまいがちです。
HSPの人は周りを気にしすぎて、思っていることがあっても発言を控えたり、なにか悪いことがあると自分を責めてしまいます。
そのため、頼まれごとを断れなかったり、それを処理できなかったのは自分のせいだと思ってしまいます。
しかしHSPの人には、一度にたくさんの頼まれごとをされるのが苦手で、短時間に多くのことを抱えると混乱してしまうという特徴があります。
さらにいうと、自己肯定感が低く自信がないため、仕事は安心できるまで丁寧に行い、相手に認めてもらうまで頑張ってしまいます。
もっと言えば、一度にたくさんのことを頼まれると混乱しストレスを感じてしまうことは、自分でもよくわかっているため、そうならないために事前に仕事量を調節し、余裕ができるようにスケジュールを組むという努力までしていたりします。
それがかえって相手には余裕があるように見えてしまい、仕事を追加で頼まれてしまいます。
相手の気持ちや表情を敏感に察知して慮ってしまうため、無理をして仕事を詰め込んでしまい、余裕がなくなってしまうのです。
(…これは筆者が経験したことです。苦しいですよね…)
自分のできる範囲で、頼まれごとに応じることは素晴らしいことです。
しかし、物事には限界があり、すべての頼まれごとを引き受けていたら、自分の時間がなくなりストレスがたまります。
そうならないためには、どこまで「OK」で、どこから「NO」というかの線引きをはっきりさせておくことをオススメします。
自分のことをよく知っておかないと、線引きの仕方はわからないでしょう。
- 自分はどこまで頑張ることができるか
- どこまでなら余裕を感じていられるか
- どこまでなら多少の無理を通せるか
- どこから限界か
これは、自分自身しか知らないことなので、自分で考えなければなりません。
例えば、人助けにつながることや、興味のあるイベントへの誘いに応じるのはOKとする。
本来やるべき人がサボったことや尻拭いとなることを頼まれたり、まったく興味のないイベントに誘われた時は断る、と決めるのも良いでしょう。
19時までの残業は許容できるけど、それ以降は自分の時間にあてたいから帰るというように、時間で区切っても構いません。
断る際は、正直に「申し訳ありませんが、その日は約束がありまして…」「今日は用事があるので帰らせてください。この埋め合わせは今度しますので」「いま抱えている仕事がこれだけあります。これ以上だとクオリティが下がってしまいます。いくつか仕事を完結させた後であれば可能ですが…」と自分の事情をきちんと伝えましょう。
自分の人生の時間には限りがあります。
その限りある時間をどのように使うかは、自分自身に選ぶ権利があるのです。
自分の取るべき責任の範囲と、相手の取るべき責任の範囲を明確にしておきましょう。
そうすることで、「NO」と言う罪悪感から解放され、生活の中からストレスが取り除かれていきます。
「NO」と言ったときの相手の反応が気になるかもしれませんが、HSPの人が思っているほど、非HSPの人は断られたことを気にしていません。
理不尽な断り方さえしなければ、万が一断ったことに対して何かを言われても、気にする必要はないのです。
それよりも、「自分の人生の時間を大切にした」「自分は大切なところで妥協しなかった」「自分の心を守った」ということが、自分自身との信頼関係を築き、自信を取り戻すきっかけになります。
「自分はどうしたいか」という自分軸の考えを持つことが、生きづらさから解放されるために必要なことです。
それをクリアできれば、自己肯定感も上がっていきます。
☆★☆ 自分軸については過去記事が参考になります ☆★☆
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自信喪失の3つの原因と対処法−他人ではなく自分の幸せ基準を持とう−
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人間関係で疲れないための対策
HSP気質で悩んでいたり、自分に自信がない人は、人間関係で余計なストレスを抱えがちです。
人間関係で疲れてしまわないためには、自分軸を持つことが必要です。
自己肯定感が高く、自分で自分を喜ばせることができていれば、「自分がこうしたい」という基準で行動することができます。
一方、自己肯定感が低く自信がなければ、他人からの評価によって自分に価値が与えられるという考えになります。
そのため、相手のことばかりに気が向きすぎてしまい、「他人がこうして欲しそうだから」「他人に認められるためにはこうしなければならない」という基準で行動してしまいます。
「私がこう言ったら、相手はどう思うだろうか」「相手に嫌われないようにしなくては」「この人に好かれるには、どうしたらいいのだろう」「失礼にならないかな」「あ、表情が曇った…」
そうやって相手のことばかり考えていると、人に会うたびにドッと疲れてしまいますし、一番大切な自分の気持ちや本当の目的、やりたいことがわからなくなってしまいます。
これは自分軸を失い、他人軸で生きている状態です。
また、必要以上に相手に遠慮すれば、かえって「あの人は遠慮しすぎて付き合いにくい」「何を考えているのかわからない」「本当のことを言わないから距離を感じる」「言っていることと思っていることが違っていそう」「誤解を生みやすいだろうな」と思われてしまいます。
人間関係で悩みたくないのに、自分から悩みの種を作っているとも言え、生きづらさを感じるでしょう。
HSPの人が人間関係で疲れないためには、自分軸を持つことが必要です。
「自分がどうしたいのか」という基準で、自分の心に正直に行動することが大切です。
そのためには、自分の感情や感覚、思っていることをまずは自分で把握し、それを素直に言葉にして相手に伝えることが不可欠です。
はじめは難しく感じるかもしれませんが、徐々にできるようになります。
「ここまでなら言える」「ここからは言いづらい、でも言ってみよう」「言っても大丈夫だった!」
これを、訓練するのです。
もし相手と意見が違っても、穏やかに話し合って解決すれば良いだけです。
喧嘩にならない程度に、自分の希望をきちんと伝える癖をつけていくと、いままでとは違った自分に出会うことができます。
一番避けたいのは、「言わなければならない時に言えなかったことを後悔する」ことです。
これは自分自身への信頼感を失くさせ、自信を失わせることにつながります。
HSPの人がやりがちな「様子を窺って慮る」ということをしても、誤解を生んだりストレスに感じるのであれば、言葉を使って伝えてみましょう。
言葉はシンプルに伝わります。
間違えたら、すぐに訂正すればいいだけです。
HSPとはなにかという、HSPそのものを理解してもらうというよりは、「こういう時は自分がこういう状態になるから、こうして欲しい、自分はこうしたい」ということを明確に伝えてみてはいかがでしょうか。
これを伝えることができるようになると、「きちんと伝えることができる自分」「自分の声に耳を傾ける自分」に出会い、自己肯定感も高まっていくでしょう。

まとめ:HSPの特徴
もしあなたがHSPであるならば、大変な生きづらさを感じていて、なんとかする方法を探している最中かもしれません。
なかなか上手くいかなくて落ち込んだり、他人のアドバイスを聞いて実行しても気疲れしたり、一人になりたいのになれない状態で落ち着かない状況かもしれません。
しかし、焦って変わろうとする必要はありません。
あなたは、HSPの特徴を持ったままで、完璧で完全なあなたなのですから。
あなたは、そのことを知る必要があります。
あなた自身のことをよく知りましょう。
そして、ありのままの自分を認め、愛してあげましょう。
それだけで、自己肯定感は高まります。
生きづらいのであれば、自分が喜ぶことを、自分が探し、実行してあげましょう。
自分だけが、あなたの希望を叶えてくれます。
希望を叶えるために動いてくれた自分、自分の気持ちを汲み取って行動した自分を、もっともっと好きになれるはずです。
今回の記事のポイント
- HSPの人は、生まれつき繊細で敏感
- HSPの特徴は、ネガティブな面だけではなく、ポジティブな面もある
- HSPの生きづらさを解消するために、自分軸をしっかり持ち、自己肯定感を高める必要がある
- HSPである自分を理解してもらうためには、まずは自分の特性をよく知り、「こうしたい」と言葉で伝える